アンケートで必要なこととは? ―アンケート活用のための進め方、作成方法―
アンケートと聞いてイメージするものは、何でしょうか。
電話で世論調査を行ったり、化粧品のモニターからオンラインで評価をしてもらったり、街頭で新しいショッピングモールについて意見を聞いたりと、様々なタイプのアンケートがあります。
いずれにおいても、アンケートとは、対象者の意見を郵便、電話、オンライン、対面などで集め、対象者の心理や行動を分析し、興味・関心や意向、意識を明らかにするものです。
昨今、ツール等が普及したことから、Webアンケートが様々な調査に活用されています。今回のコラムでは、主としてWebアンケートを用いて調査を実施する際の進め方や、作成方法等のポイントについて、整理したいと思います。
目次
- アンケートフォーム作成ツールを利用したWebアンケートの作り方
- まとめ
1. 企業におけるアンケート活用方法
私たちは日頃から様々なアンケートに回答する機会があると思いますが、企業においても多くの場面でアンケートが活用されています。
顧客へのアンケートとしては、以下のようなことを評価するにあたり、調査が行われています。
- 自社ブランドや商品はどこでどのように認知されているのか
- 商品・サービス購入の理由は何か
- 商品・サービスが顧客に満足していただけたか、改善点はないか
など
また、企業内で行う代表的なものとして、従業員の満足度評価があります。業務量や業務内容、上司や部下とのコミュニケーション、トップへの信頼、コンプライアンスに関わることなど、質問が多岐に渡ることが多いです。
いずれにおいても、他のデータからは得られない「お客様・従業員の考え方や行動」を独自のデータを得て調査をするということになります。
2. アンケートを取る際に気をつけたいこと
アンケート調査を行う前に、いくつか注意しなければならない点があります。
目的と対象を明確にする
当り前のことのようですが、意外と明確になっていないケースが多いのが「アンケートを行う目的」です。目的が曖昧なまま実施してしまうと、質問が適切でなく本来知りたかったことがわからなかったり、目的に合った対象者を選定できず得たい情報が得られなかったり、といったことが起こります。
また、あれもこれも聞きたいと質問が増え、回答者や分析者に負担がかかり、後の集計や分析に時間を費やさなければならなくなる可能性があります。
目的を明らかにした上で、アンケートの対象者を決定し、それらをアンケートを活用する関係者およびアンケート実施者で十分に共有する必要があります。
アンケートの特徴を理解する
例えば、Webアンケートは調査票を作成して配付すれば、集計までインターネット上で完了するため、回答が早く得られやすい、といったメリットがあります。
一方で、操作に慣れていない人にとっては負担になる、間違いが起きやすいといったデメリットがあります。
それぞれの手法の特徴を捉え、利用するツールや質問を十分に検討する必要があります。
回答を誘導するような尋ね方をしない
少し極端な例かもしれませんが、「〇〇することは大切ですが、あなたもそう思いますか?」など、回答を誘導するような質問は避けます。
アンケートの回答者が質問から期待されている答えを思い浮かべて回答してしまうと、正確に回答者の意図を捉えきれませんので、注意します。
3. アンケートの作成手順
1) 調査方法を決める
はじめに、アンケートの方法を決めます。
紙に印刷して行うのか、ツールやソフト等を利用してWebアンケートで行うのか、その両方を用いるのか、という検討が必要ですが、調査後どのように集計し分析するのかを念頭に置いて検討します。
紙は年齢やリテラシーに関わらずどんな人でも記入でき、回収率も高くなりますが、集計するには文字、数字、記号をデータ化するという手間がかかります。
Webアンケートの場合は、前述したように集計の簡便さなどメリットがありますが、入力がしやすいようタブレット等の端末を用意したり、入力間違いを防ぐ工夫をしたりした方が良いでしょう。
2) 質問文を作成する
アンケートの質問は、1つの質問で1つのことを尋ねるようにします。
また、簡潔で、読み違えることのない文章になるよう注意を払います。
3) 回答形式を決定する
回答形式は、大きく分けると記述式と選択式があります。選択式の中には単一回答、複数回答がありますので、質問にあった回答形式を選びます。
質問の数、特に記述式の質問が多いと回答者にとって負担になり、調査結果の確認も時間がかかりますので、熟慮が必要です。
4) 配付・周知をする
アンケートを対象者へメールで送るなどして配付します。URLを提示し、対象者にアクセスしてもらうこともできます。
〇月〇日までに提出してください、と期日を明確にして配付します。
また、対象者には回答の手間をかけますので、回答率を上げるためには目的をしっかり周知し、可能であればインセンティブがあると良いです。
4. アンケートフォーム作成ツールを利用したWebアンケートの作り方
アンケートフォーム作成ツールとは、アンケートの作成、配付、回答、集計機能などをオンラインで行うことができるツールです。
アンケートフォーム作成ツールには、無料のものから有料のものまで様々なものがありますが、使う機能や予算によって適切なものを選びます。
ここでは、基本的に無料で利用でき、よく活用されているGoogleフォームでのアンケート作成手順を紹介します。
※情報は2022年12月14日現在のものになります。
Googleフォームは、Googleアカウントがあれば利用できます。アカウントをお持ちでない場合は、アカウントを作成してから以下の手順で進めることになります。
https://support.google.com/accounts/answer/27441?hl=ja
1) 新しいフォームの作成
空白のフォームを開き、フォームのタイトルと説明文を入力します。
テンプレートを選んで作成することもできます。
説明文には、アンケートの目的や入力に関する注意事項などを入れると良いでしょう。
2) 質問・回答の入力
質問欄(「無題の質問 」と表示されているところ)へ質問を入力します。
質問入力後、すぐ下の欄へ回答の選択肢を登録していきます。
アンケートの回答形式でよく使用されるものは以下の通りです。
記述式
短文で回答を入力できます。
使用例)選択式の回答の中にはない少数の意見などを尋ねる場合など
「上記の他に重要視しているものは何ですか?」
段落
複数行に渡る長文で回答を入力できます。
使用例)選択式では尋ね切れないことについて書いてもらいたい時など
「その他、〇〇についてご意見があれば回答してください。」
ラジオボタン
複数の選択肢から単一の選択肢を選びます
使用例)
「あなたの年代を教えてください」
チェックボックス
複数の選択肢から複数の回答を選択します
使用例)
「〇〇について、改善すべき点はどこだと思いますか」
均等目盛
良い悪い、満足不満足などの度合いを数値で評価することができます
使用例)
「〇〇について、あなたの満足度を5段階で評価してください。」
3) フォームの設定
フォーム上部の質問、回答、設定のうち、「設定」をクリックすると、フォームの設定ができます。
例えば、「回答のコピーを回答者に送信する」か否か、後からの「回答の編集を許可する」か否かなど、回答時の設定や「質問の順序をシャッフルする」など表示に関わる設定などを行うことができます。
4) フォームの配付
右上にある「送信」ボタンを押すと、メールで送る、またはURLをコピーし回答者に示すことでフォームを配付できます。
5) 集計結果の確認
フォーム上部の質問、回答、設定のうち、「回答」をクリックすると、集計結果の確認ができます。
記述式の文章以外は、グラフになっており、一目で結果がわかるようになっています。
自由回答の部分は、それだけでは傾向が捉えにくい場合があるので、そこから似た意見を分類して集計するなど工夫が必要です。
また、「その他」の回答についても、同じ回答があったり、選択肢にあるのに気づかずに「その他」に入力してしまう回答者がいるので、注意が必要です。
アンケートは集計して終わりではなく、結果をどのように改善策へ結び付けていくかが重要です。
必要であれば、個別のインタビュー等など追加の調査を実施し、要因分析をしっかり行った上で、具体策へ落とし込むことが求められます。
5. まとめ
これまで述べてきた事柄について、まとめると以下の通りになります。
まとめ
- アンケートは、商品・サービス購入理由の調査などの顧客に対するものや、従業員満足度調査など自社の従業員に対するものなど、さまざまな場面で活用されている。
- アンケートを取る際の注意点として、目的と対象を明確にすること、アンケートの特徴を理解すること、回答を誘導するような尋ね方をしないことが重要。
- アンケートの作成手順は、①調査方法を決める、②質問文を作成する、③回答形式を決定する、④配付・周知をする となる。
- Googleフォームを使用して比較的容易に Webアンケートを作ることができる。記述式、ラジオボタン、チェックボックスなど複数の回答形式を用いることができる。
近年、アンケートの作成・回収、集計をWeb上で行う企業が増えています。
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